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2011年7月23日 (土)

THE BACK HORN「KYO-MEIワンマンライブ」~第二回夕焼け目撃者~@日比谷野外大音楽堂


ものすごく楽しみにしていた久しぶりのバックホーン野音。
数時間前からそわそわ、ドキドキ。
だけど不思議と“どうしてもこの曲が聴きたい!!”という過度な期待はなかった。
先日の京都大作戦で『涙がこぼれたら』を演ったらしいので、‘そろそろ私も聴きたいなぁ’って思ったくらいだ。
野音への特別な思いがあっての曲ではない。
逆にね、きっと空星やサニーはやるんだろうけど、そしたらあんまり7年前と変わらなくなっちゃうのかもなぁ…とも思っていた。
‘あの頃とおんなじ感動なのかなぁ?’とかね(苦笑)
でも実のところは、何でも良かったんだと思う。
昔の曲でも、現在の曲でも、マニアックな曲でも。
ただこの野音という空間で、バックホーンの音が聞けたらそれだけでよかった。

終わってみたら『ああ、やっぱり私の大好きなバックホーンだった』と心から思った。
決して同じになんてなるはずのない感動。
回帰ではない、前回の野音から今日までの分を詰め込んだような、今の彼らの野音だった。
号泣するような派手さはなかったかもしれない。
でも一緒に生きている気がした。
これからもずっと一緒に歩んでいくんだという実感を強く感じた。
他にも好きなアーティストはたくさんいるけれど、きっと私の心の聖域はバックホーンで出来ているんだろうなと、確信させてくれるようなライブだった。
7年前も、5年前も、今日も、そしてこの先の何年後かも・・・おそらくずっと彼らを好きな気持ちは変わらないままだ。
“今日より明日がいい日であるように・・・”
そんな山田の言葉のように、一日一日を積み重ねて生きていく。
そしてまた、新しい彼らに出会うんだ。
そしてまた、新しい自分を見つけて歩いていくんだ。

 

 開演時間と同時にSEが鳴り出したので、少しアタフタとする。
1曲目は意識してなのか、たまたまなのか、7年前と同じ『レクイエム』で始まった。
聴きたかった『涙がこぼれたら』の前奏にテンションがあがる。
この曲は山田の歌はもちろんなのだが、ベースやギターやまわりの音たちが何かを掻き立てるようで、何度聴いても私の心を熱くさせる。
前半は、なんだか私の心のアルバムを見返すように聴いた。
ライブ前に友人と「座席のあるときに汗はかかないのでライブTは着ない」なんて話していたのに、3曲目にしてすでに汗ダクだ(笑)。
『アポトーシス』のアレンジがこれまでとは変わっていて、闇でもない光でもない世界、何だか少し怖そうで、それでいて覗き込んでしまいたくなるような異空間をつくりだしていた。
それに続いて妖艶なる『セレナーデ』が奏でられるというような流れ。
『セレナーデ』は、いつも山田の動きが美しい。
それこそ切ないほどに魅せられてしまうのだ。
でも今日はどこか少しだけ、力強くも感じたセレナーデだった。
『ジョーカー』の山田の動きもすごかった。
この曲はわりと普段もやっているような気がする。
その時々の気持ちが、現れやすいのだと思う。
クライマックス前に栄純が音を外して少しズッコけたりもしたが、それでも山田は集中力を切らさずに何かを吐き出すように、訴えるようにステージを転がって気持ちの限りをぶつけていた。
いつも以上に感じるパワー。
“生きる才能、笑う才能”とハモりながら響く低くて力強い声が、地の底から這い上がってきた魂ように感じてハッっとさせられた。
‘ああ、まさにそうだ’と、生きることも笑うことも自分の心次第の才能として作り出せるものなんだと感じながらに聴いた。
そう思ったら、なんだか少し泣けてきた。
『舞姫』も壮大だった。
このあたりで気持ちのいい風が吹いていた。
この曲、過去のライブでも私の中の名シーンとして今でも思い出されるものがある。
そんな昔のアルバムを懐かしく眺めながら、贅沢にも現在の両方とを見比べるような気持ちで聴いていた。
この後の『墓石フィーバー』までの前半は、全体的にずっとそんな気持ちで観ていたようにも思う。
ちょっと微笑んで、涙ぐんで、いまの幸せを感じるような気持ち・・・

MCで、ステージに掲げられている絵について栄純が話す。
今日のために彼が書いたのだ。
「ねぶた祭りがかっこいいなって思って」って。
「スサノオノミコト、ヤマタノオロチの伝説からイメージして書いた」のだと言った。
その説明がうまくできなくなって、最後にこう叫んだ。
「日本人、やられてばっかじゃねえぞ!!」
栄純らしい、強い気持ちのこめられた言葉だった。
光舟は「今日の野音は震災の前から決まっていたのだけれど、当たり前のことが、こうやってライブを出来ることが幸せだ」と言った。
山田はボソリと「雨、やんでよかったな」って言った(笑)。
「なんか回避できてよかった」と、嵐を呼ぶ雨男伝説のある彼が照れたように笑いながら言った。
「天気の話ばっかしてるけど、なんかしてぇんだよ。みんなと共通の話ってそのくらいしかないから。また次も天気の話をすると思う」って、不器用で照れ屋な彼らしい。
でも、なんかわかる気がした。
たかが天気だけど、そこで気持ちや願いが繋がっている気がちょっとだけするから。
松は「あいにく夕焼けは目撃できなかったけど、またいつか野音をやりたい」みたいなことを言っていた。

『何もない世界』からの後半は、観ているこちら側の気分も全然違った感じがした。
意表をついた選曲のせいもあるけれど、絶対的に現在の彼らを感じたから。
『水芭蕉』『夢の花』の2曲が胸に迫る。
勝手に花シリーズと私がつけたのだけれど、なんだか少しだけ幻のようなカゲロウの様な切なさが押し寄せてくる。
『夢の花』の前奏でゾクッとして、これまでとは違うアレンジの、栄純の高く響くコーラスと山田の声が見事に重なっていて魅了させられた。

松が確かこの辺で「まだまだ行けますか?」って叫んだ。
「後ろの人もいいですか?」
「前の人もいいいですか?」
「丸の内のビルの人もいいですか?」って(笑)

山田が「ウォーーーッ」って遠吠えのように叫ぶ。
照明がチカチカと光って、闇の中の何かを探して追っているようにも見える。
歌われたのはカップリングである『真夜中のライオン』。
ライブ前にこの曲が聴きたいと言っていた友人に、「さすがにそれはやらないでしょ」と答えた私。
‘うわーっ’ってなって、今にでも彼女にメールしたいくらいだった。
2回ほどイベントで聴いたことはあるが、全く違うアレンジと迫力に圧倒される。
何度か叫んだ山田の声が、本当の誇り高きライオンのようにさえ見えた。
メンバー全員の演奏もキレていて、そのスピード感といったらない。
こんなにすごい曲だったんだ!!
かっこよくて、かっこよくって、とにかくカッコよくって。
心の中で何度も一緒に「ウォーッ」って叫んでいた。

ここからはアンコールが終わるまで、ほとんどいつものバックホーンのセットリストだった。
前半もレアな曲が多かったし、物足りなく感じた人もいるのかもしれない。
さすがの私もラストが『無限の荒野』で、‘また?’って思ったりもした(苦笑)。
だけど明るく照らされたステージと客席とで、全力で飛んで叫んでいたら‘これでいいんだ’って思えた。
特別だけど特別じゃない、バックホーンの野音。
アンコールが始まる前に山田が言った。
「今日より明日が・・・いい日になるように」
「うまくいえねぇな」って苦笑しながら、「だから頑張ろうってことだ」って照れくさそうに言った。
今のありのままの彼らのステージ。
遠い未来を目指すのでなく、一日の終わりのまた明日って思えるライブだった。
それが一緒に生きていくってことのように思えて、なんだかとても嬉しかったんだ。

<セットリスト>
01.レクイエム
02.蛍
03.涙がこぼれたら
04.アポトーシス
05.セレナーデ
06.羽衣
07.ジョーカー
08.舞姫
09.墓石フィーバー
10.何もない世界
11.水芭蕉
12.夢の花
13.覚醒
14.真夜中のライオン
15.コバルトブルー
16.戦う君よ
17.世界中に花束を
EN.
18.光の結晶
19.無限の荒野

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