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2011年7月 9日 (土)

GRAPEVINE tour 2011@仙台Rensa

バイン仙台 バイン仙台
震災の振替公演の仙台。
会場も変わり、新しく出来たばかりのハコ。
ファイナル予定の新木場からだいぶ時間が経ってしまったので、振替公演の札幌からも日が経ちすぎていたので、私の中ではアルバムツアーとしての意味を見つけるのにライブ前まで少しばかり苦労した。
震災以前からチケットは購入してあったし、振替日時が発表された時にもテンションが上ったのだけれど、正直心のどこかに‘行かなくてもいいんじゃない?’なんて気持ちがあったのもホントだ。
なので旅の手配をいつもなら早々に終わらせるのに、お友達から連絡が入るまで放っておいたりもした(苦笑)。
でもね、何かのきっかけで迷いが吹っ飛んだ。
‘よし、行こう!!’って思ってからの私はパワフルだ。
それでも実際に会場に入って始まるまでは、自分の心の動きが心配だった。
だけどそんな心配は全く要らなかった。
本編のセットリストは以前とほとんど変わっていないのに、全く違う世界を観ているようだった。
前半のツアーでは、GRAPEVINEの『真昼のストレンジランド』と言う小説のストーリーを語っていた音。
だけどこの仙台では個々人の、生活の物語を鳴らしているような気がした。
何度も何度も、‘ああ、溶けていく、解けていくんだなぁ’って思いながら聴いた。
眩しいくらいの笑顔になって、飛び散るキラキラに目を細めながら泣きながら聴いたんだ。

 この新しい会場、多分とっても観やすいし聴きやすいのだと思う。
ステージはかなり高めなので後方でも観えるし、横長でゆったりとした感じ。
左右両側に柱はあるが、センター寄りではないのでよっぽどギュウギュウに入った時以外は邪魔にはならなそう。
『Silverado』の最初で、一瞬くぐもって二重に聴こえた音に札幌の苦い経験を思い出したが、すぐにそんな雑音も消えた。
逆に大きな波となって広がっていく音を感じた。
この会場、なかなかお気に入りになりそうだ。
ただひとつ心配なのは、外のアーケードに整列して7階まで番号順に20名くらいづつエレベーターに乗り込んで上がる。
今回はみんな譲り合っていたけれど、我先にって感じのライブだと、降りた後のどさくさにまぎれて番号がぐちゃぐちゃになってしまうかもしれないことぐらいだ。

相変わらず、彼らは何も言わない。
「がんばろう」とか「大変だったね」とか、震災には何も触れない。
ここが仙台であろうと、変わらずに彼らの演奏をしていた。
だけどその思いは、しっかりと音に表れていたんだ。
今日の演奏はどこか淡々としている。
淡々としているという言葉が適切なのかはわからない。
おそらく強弱のつけ方や間の取り方がこれまでとは違っているのだ。
ハッとするようなメリハリのある演奏ではなく、あくまで自然と流れていく時間と空気を感じた。
これまでのツアーとは異なった色を脳裏に浮かべて、‘こうやって人の心は移り変わっていくんだぁ’って思った。
私の心も明らかに、ツアー前半の聴き方とは変わっている。
なんだかあまりに自然で気持ちがよかった。
今までどの場所で観た今ツアーのライブよりも、多分穏やかな表情で聴いていたのだと思う。
そんな気持ちで聴いた『風の歌』が心をくすぐる。

この日の『夏の逆襲』が素晴らしかった。
インストなのに溢れるほどの光を放つ。
3人並んで演奏するところは、いつもなら圧倒的なのだが、なんだか今日は夏の日差しに溶けていくような気がした。
最も違いを感じたのが、『Sanctuary』から『GRAVEYARD』への間だ。
いつもの長めの間から生み出される劇的な印象ではなく、短めな間で静かに次の曲へと流れるように演奏される。
そんな違いが、涙ではなく笑顔を誘う。
ホッとして包み込まれるような温かさを感じる。
そして本編ラストの『真昼の子供たち』がキラキラと眩しいくらいにたくさんの愛で溢れていた。
ニコニコしながら泣く。
幸せだなぁって思って、笑いながら泣く。
全ての気持ちが、固まっていた心が、溶けていって解けていった気がした。

アンコール、楽しそうに『R&Rニアラズ』でスタート。
そして次の曲が一瞬なんだかわからなかった。
今日の雰囲気は、『here』ではないと最初から思っていた。
そしたら歌われたのが『想うということ』で、‘うわっ’て驚いて胸がいっぱいになる。
だけど今日のこの曲の響きが、これまでとは違って聴こえる。
この曲も『here』と同様に、いつもなら切なく胸が締め付けられるようにヒリヒリと痛む。
なのに今日は、全く胸の痛みを感じない。
それ以上に慈しみと優しさと愛で満たされていた。
また瞳を潤ませながら笑った。
そんな空気の中で演奏された『CORE』がカッコ良すぎる。
次に演奏されたのは『会いに行く』。
久しぶりに聴いたこの曲の歌詞が、現在に重なってジンとした。
どこまでもどこまでも胸に沁みわたる歌だった。
最後の『超える』が爽快なほどにキラキラと輝いていて、『真昼の子供たち』と同じような感覚を魅せてくれた。
愛がいっぱいのキラキラ。
言葉ではなく、まさに歌と演奏で表現されたライブだと思った。
こんな凄いバンドは他にはいない。
私はやっぱりGRAPEVINEが大好きなんだと、心から思ったんだ。

<セットリスト>
01.Silverado
02.This town
03.Suffer the child
04.ミランダ(Miranda warning)
05.ピカロ
06.インダストリアル
07.冥王星
08.おそれ
09.Dry November
10.411
11.風の歌
12.夏の逆襲
13.ランチェロ'58
14.Neo Burlesque
15.VIRUS
16.Sanctuary
17.GRAVEYARD
18.真昼の子供たち
EN.
19.R&Rニアラズ
20.想うということ
21.CORE
22.会いにいく
23.超える

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