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2011年7月11日 (月)

yuji nakada presents「SONG COMPOSITE 2011」@下北沢CLUB Que

中田裕二下北

千通以上の申し込みがあった中からの120名。
もちろん私もハズレたのだけれど、仕事で行けなくなってしまった友人が声をかけてくれたので、贅沢にも参加させてもらった。
最初は横浜も渋谷もあるから無理してまでOueで観なくてもいいかな?なんて思っていた。(ハズレた負け惜しみもあったけど・笑)
でも終わってみたら、この場所で観られたことにとにかく感謝!!
セットリストはそれほど変わっていないのに、不思議なQueだからこその空気があった。
出てきた瞬間に‘男っぽくなった、大人になったなぁ’って思ったんだ。
この人は、ソロになった今も相変わらずに骨太で揺るがない志を持っている。
そう感じさせられるまっすぐな瞳と言葉を感じながら、魅せられて酔わされて本当にあっという間だった。
横浜のようなよそゆきの顔ではなく、素のままで歌う。
天使のようでも、これまでのような斜めに構えた風もなく、心のままに歌われた曲たちだった。
頭であれこれ考える余地なんて全くないくらいに、感じたままにただ自然と涙が零れて胸がいっぱいになった。

 

チケットにもHPにも、この日の開場時間は18:30となっていた。
なのに会場に着いたらすでに開いている様子。
写真の看板にもOPEN18:00と書いてある。
驚いて慌てて会場に入ると、もう椅子はだいぶ埋まっていた。
幸いにも私が座りたいなと思っていた辺りに座れたし、数えてみたらほぼ持っていた番号くらいの位置だったのでホッとひと息。
少し落ち着いたので周りの人に聞いてみたら、会場の手違いで30分早く開けてしまったらしい。
私は難を逃れたけれど、そのせいで座れなかった人や一桁番だったなんて人はやっぱり悔しいよね。
それでも混乱や大きな不満の声も出ずに、予定通りに始まった。

8曲目までは横浜と同じセットリスト。
すでに何公演もやってきているので、カバー曲もかなりこなれた感じになっていた。
前回はなんとも思わなかったのに、この日の『また君に恋してる』にグッときた。
『エンドレスゲーム』が中盤に入って、流れがすごくしまって感じられた。
セクシー童謡として歌われた『迷子の子猫ちゃん』は、シリーズ化していて中田くんが色っぽいリズムにかえて「ほら、こんなにセクシーになった」と歌うコーナー。
ほかにも『ぞうさん』とかがあるらしい。
こういう遊びどころも的を得ていて面白い!!
思わず私もノセられた。
‘う~ん、成長したなぁ’と、昔を思い出してまた母親目線だ(笑)。
そういえば、途中のMCで「Queは5年ぶりなんだよね。下北に来るのも3年ぶりくらいだし。そして僕も、もう30になった。」なんて言っていたっけ。
5年前が『恋わずらい』の頃で、3年前がカーニバルのレコーディングの頃だそうだ。
ついこの間みたいな気がするのに、月日が経つのは早い。

前回もこの辺りで涙腺が崩壊したんだけれど、『結詞』『シンシア』『もう恋なんてしない』で胸が熱くなる。
だけど今日は号泣する感じではなく、なんだか軽やかで自然な風に心をくすぐられてホロリとなる。
そう思っていたら中田くんが「この曲、軽やかでいいでしょ?」って言って笑うのでドキッとした。
「なんか今日は会場の反応が(苦笑)。恥ずかしいよね、この距離感。そういう僕も恥ずかしいのよ。でも大事だよね、初心に返るというかそういう気持ち。」って、なんだか隣に座っている友達に語りかけるように話す。
そしてにこって笑って歌うんだ。
沁みるような、心に響く歌を。
『水色の雨』は何度聞いても素晴らしい。
だけど歌い終わった後には、ちょっと茶化したりもする。
「昔の歌詞っていいよね。なんか女性っぽいっていうか色っぽい。でも今、言葉の最後に『だわ』とかつけないよね?」って、観客に「『だわ』ってつけて言ってみて」なんて促す。
いくつかの答えが返ってきて、「みんなも男性とカラオケに行ったらやってみるといいよ、男性はそういうのに弱いから」なんて冗談とも本気とも取れるような顔で笑いながら言った。
こういう観客とのやりとりや間、雰囲気の使い方が絶妙だった。
やっぱりこの小さな会場のせいなのかなぁ?
和やかとか、温かいという言葉とも、どこかが違うように思う。
ぴったりな表現が見つからないけれど、とにかく自然で、おそらくこの場所でしか感じられないであろう空気が流れていた。

『涙そうそう』にはやっぱり涙を誘われる。
そして次に披露された『エンドレス』がとにかく良くて、良くて・・・
艶?
その良さが何なのかはっきりとはわからないけれど、とにかく彼の思いや言葉がストレートに届いた。
オリジナル曲はどれも中田裕二の色を持っている。
独特の歌い方と声が、カバーとは全く違って聞こえる。
今回私の心を大きく捉えたのは、『ベール』ではなく、後半で歌われたこの『エンドレス』だった。
ソロになった今も、彼の瞳はまっすぐと前を見つめて輝いているように思えた。
誰に何を言われようと己を貫く、そんな彼の強い意志を感じた。
揺るがすことの出来ない、彼のもつ武器と魅力が見えた気がした。
もう、胸がいっぱいだった。

涙目でしみじみとしているところに、中田くんのMC。
昔の曲の良さを語り始めると、ヤンシーさんがポロリとピアノを鳴らす。
そしたら「えー、マジでー」って苦笑いしながら「おじちゃんをやるのかー」って小芝居が始まる(笑)。
5年前のQueで初めて一緒に演奏したと言うヤンシーさんとも、もうすっかり‘あ、うん’の呼吸だ。
小芝居から『ウイスキーが、お好きでしょ』になり、そのあとに続く『テネシーワルツ』も素晴らしかった。
前回と同じ曲なのに、コンポジなのに全く飽きさせない。
それどころか、本当に引き込まれて酔わされて、魅せられていた気がする。
『ひかりのまち』はね、やっぱりまだ涙なしでは聴けないのだ。

アンコール、前回同様にみんなの意見は無視しまくって白の甘口『Missing』と赤のフルボディ『Ti Amo』。
『Missing』は相変わらず素晴らしかったが、『Ti Amo』はイマイチだったかな?
きっと私の想像する、彼のイメージではないのだ。
そういえば誰かが『ロゼを』と言ったら、「ロゼはありません!!」ときっぱりと答えていた。
聴きたいよねぇ、ロゼも。
そしてラストは『見上げてごらん夜の星を』。
この曲の前に、震災についてポツリポツリと自分の気持ちを吐き出すように話し出す。
「やっぱりたかが音楽って思っちゃったんだよね。だけどされど音楽って思った。俺は歌の力を信じてるから・・・」って。
なんかこの話し方や言葉が、頼もしくて心強かった。
そう嬉しく思っていたら、アルバムの話をした。
「今年中には、たくさんの歌が詰まったアルバムを届けたいと思う」と。
そして「今回はコンポジだけどね、もちろんこのスタイルもライフワークのひとつとして続けていきたいと思っているし・・・違う形でも早くみんなの前に立てるようにしたい」と言っていた。
「だから待っててね」とも言ったかな?
こんなに素直な言葉を言う人だっけ?
でもそんな彼や歌が、やっぱり大好きだと思った。
最近は観るたびにそう認識させられる。
そんなこと思いながら聴いたこの曲が、心に寄りそうにように響いて涙が止まらなくなった。

本来ならここで終わりのはず。
他の会場でもWアンコールはあったのかな?
でも今日は出てきそうな気がした。
会場の空気が、そう教えてくれていた。
わりと長い間があって、ヤンシーさんとともにステージに出てきた中田くん。
そのときの会場の熱気。
心配そうに見守るヤンシーさんの横で、立ったまま、たどたどしい指でピアノを弾いた『紫陽花』の前奏。
悲鳴に近い声が会場から沸いた。
私の目にも一瞬にして涙が浮かぶ。
ゆっくりと、ゆっくりと歌われたワンフレーズだけの曲。
でもまだ無理だった。
たった一小節なのに、胸が張り裂けそうになって聴いた。
彼はすぐに何事もなかったように「はいはい、歌いますよー」って、いたずらっ子の顔でセンターに座る。
だけどどこか嬉しいような照れくさいような声で、「なんでみんな帰らなかったの?」なんて聞く。
どこからか「会いたかったから」「もっと聴きたかったから」「酔わされたから」なんて飛んできた声に、満更でもなさそうな顔で笑った。
もう何も言わずに歌いだす。
ORIGINAL LOVEの『接吻』。
迷いのない、そこに青空が広がっているかのようなまっすぐで清々しい歌声だった。
たくさんのものを貰ったような、掴んだような気がしたんだ。
余韻の中、しばらくの間再度のアンコールの手拍子が鳴っていたけれど、もうこれで充分だった。
ざわざわと帰り支度を始める人の中で、しばらく立てずに呆然としていた。

<セットリスト>
01.少年時代/井上陽水
02.落日/ICE BOX
03.リバースのカード/中田裕二
04.サンデーマンデー/中田裕二
05.Moon River/映画『ティファニーで朝食を』主題歌
06.ベール/中田裕二
07.また君に恋してる/坂本冬美
08.白日/中田裕二
09.エンドレスゲーム/山下達郎
10.迷子の子猫ちゃん(セクシー童謡)
11.結詞/井上陽水
12.シンシア/原田知世
13.もう恋なんてしない/槇原敬之
14.恋人よ/五輪真弓
15.水色の雨/八神純子
16.涙そうそう/森山良子、他
17.エンドレス/中田裕二
18.ウイスキーが、お好きでしょ/石川さゆり
19.テネシーワルツ/江利チエミ
20.ひかりのまち/中田裕二
EN.1
21.Missing/久保田利伸(白の甘口)
22.Ti Amo/EXILE(赤のフルボディ)
23.見上げてごらん夜の星を/坂本九
EN.2
-紫陽花ワンフレーズ(ピアノを弾きながら)-
24.接吻/ORIGINAL LOVE

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